Point 1
Point 1
大正時代創業。100年以上続く老舗企業。目利きと、手仕事による丁寧な加工が売り。
Point 2
Point 2
元商社マンのフレッシュな4代目社長。石巻の水産業界の若手リーダー的な存在。
Point 3
Point 3
「仲買人、タイチ」として、YouTubeで会社や地域の水産業をPRを行っている。
布施商店は大正元年に創業、宮城県石巻の水産品を中心に買付し、日本全国に届ける水産加工会社。2011年3月、東日本大震災により、本社社屋、工場が津波によって流出。その後営業を再開し、鮮魚の全国出荷、産直取引、一次加工など業態を変えながら成長。美味しい三陸の海の幸を、震災後も変わらずに全国に供給する。
2007年に大学を卒業後、大手総合商社に勤務し食品流通関係の業務に従事。2011年東日本大震災が起こり、地元である石巻に戻ることを決意。2018年に実家の家業である株式会社布施商店に転職し、2021年に代表取締役に就任した。 2021年7月より、世の中に海や魚について興味を持っていただくための施策としてYoutubeでの活動(「仲買人、タイチ」チャンネル)を開始した。趣味は、サーフィンとゴルフで、好きな魚はマダラ。
私たち布施商店は長く「生鮮品」にこだわった商売をしていました。新鮮な魚を市場で仕入れ、半身に加工し、あるいは丸魚(一尾丸ごと)のままで、スーパーなどの量販店に出荷していました。
その頃の営業トークは、「うちの商品は鮮度がいい!モノ(品質)がいい!」でした。でも、営業しながらも違和感がありました。品質の良し悪しは様々な要素で決まります。脂がのっている時期なのか、鮮度はいいのか、着荷後の荷扱いはどうなのか、様々な要素に左右されます。生鮮品を扱う限り、品質は常に変化し、いい時も悪い時もある。外部条件の影響を少なからず受けてしまいます。
また、家庭で丸魚を調理する食文化が少なくなってきていることも、外部環境の変化として考慮する必要がありました。このまま「生鮮加工品」にこだわっていていいのか。考え抜いた結果、私たちは「生鮮加工品」だけでなく、「冷凍加工品」にもチャレンジすることを決断しました。生鮮品の仕入れは変えず、それを加工後に冷凍して出荷します。仲買人の目利きで仕入れた商品の品質を、最先端の急速凍結機で維持し、在庫できるので、スーパーなどの量販店だけでなく、高級ホテルなどにも自信をもって販売できるようになりました。
これが、布施商店の「現在」です。でも、会社としてはここで止まっているわけにはいきません。なぜならば、海の環境の変化がすさまじいからです。
地球温暖化の影響もあるのでしょう。海洋環境は近年急激に変わっていて、水産業にも大きな影響をおよぼしています。私たちはその変化に対応した新しい事業のあり方を常に模索しなければいけません。
たとえば石巻など三陸では、弊社の主力商品の原料であるマダラの漁獲量が著しく減りました。そのぶん、マダラの漁場は北海道に移っています。では、どうするか。販路はあるのですから、マダラの取り扱いをやめるという選択肢はありません。北海道から仕入れることになります。でも、それならばむしろ北海道に加工拠点を作ったほうが効率的ではないか。そんなアイデアも生まれてきています。
また、石巻ではマダラが減ったかわりに、タチウオやスズキの水揚げが増えています。こうした魚の販路をいかに広げられるかが、今後の課題になってくるでしょう。
更には、ここまでは生の魚を食材に変化させる「一次加工」の話です。たとえばマダラのフライやサバの餃子など、「二次加工」の商品開発にも積極的に取り組んでいます。
水産業のビジネス環境の変化はとても大きいですが、状況を注視していればチャンスは絶対見つかります。チャンスの芽は見えてきているので、一緒にチャレンジしてくれる仲間を募っています。
将来的になってほしいのは「新規事業に携わる営業リーダー」です。でも、世の中に「スーパーマン」なんていません。入社後はじっくり育てていきます。最初は先輩社員について回り、水産業の営業ノウハウを学んでください。少しずつ既存の仕事を引き継いで、それが一人で回せるようになったら、いよいよ自ら新規事業をつくるタイミングです。
くり返しになりますが、水産業は今、刻一刻と変化しています。風がない「穏やかな海」ではなく、課題が山積する「荒波」の状態です。でも、こういう分野だからこそ、「我こそは!」と手を挙げてくれる人はいませんか。「挑戦したい」「成長したい」「社会の課題に立ち向かいたい」。そう考える人にぜひ来てほしいです。
新規事業を立ち上げる時、そこには必ず「出会い」があります。私は大学を卒業後、大手総合商社に勤めました。大手企業の社員や中小企業の経営者の方々と話をする機会はありましたが、今のように、多彩な人たちと出会う経験はなかったです。また、自分が動いたことで目の前の小さな課題がスピーディに解決していく楽しさは、大企業では味わえない手触り感だと思っています。漁師さんや同じ水産加工業者の人たちと、真剣に議論したり、意気投合したり。楽しいです。この楽しさをぜひ共有したいと思っています。
フィッシャーマン・ジャパン
漁業のイメージをカッコよくて、稼げて、革新的な「新3K」に変え、次世代へと続く未来の水産業の形を提案していく若手漁師集団。2024年までに三陸に多様な能力をもつ新しい職種「フィッシャーマン」を1000人増やすというビジョンを掲げ、新しい働き方の提案や業種を超えた関わりによって水産業に変革を起こすことを目指す。
ワラサクラブ
石巻の水産加工業の未来を担う中核、経営人材が会社の垣根を越えて繋がる団体。販路の共有や商品企画、採用・育成をチームで行うことにより、水産業の活性化ひいては石巻の「産業ブランド」つくることを目指す。 石巻の恵まれた海の幸を強みに、チームでの商品企画や販路開拓とユニークな挑戦を続けています。